行徳の医療特集
「秋・冬に流行する感染症に注意 正しく知り、予防する習慣を」

感染症には多くの種類があるが、中には季節によって流行しやすい傾向を持つものがある。そこで、秋・冬に流行しやすい主な感染症と、予防策について、東京ベイ・浦安市川医療センター感染症内科の横田和久医師に話を聞いた。

 

横田和久医師

かぜかな?
鼻・口・のど、発熱の初期症状

気温が低下し、空気も乾燥しがちな秋・冬に流行する主な感染症として挙げられるのは、
・インフルエンザ
・新型コロナ感染症
・RSウイルス感染症
・マイコプラズマ感染症
・溶連菌咽頭炎
・感染性胃腸炎
の6つ。

感染症胃腸炎を除く5つは、上気道(鼻・口・のど)にウイルスや菌が作用して引き起こされる。上記4疾患は、重症化すると肺炎を発症することも。

初期症状は咳、鼻水、のどの痛み、発熱など普通のかぜと似ている。RSウイルス感染症は小児、高齢者がかかりやすい。マイクロプラズマ感染症は幼児、学童に多く、たんが出ないで乾いた咳の症状が長引く。溶連菌咽頭炎は特にのどの痛みが顕著で、鼻水、咳が出ないという特徴がある。ただし、「どの感染症か一般の方は見分けにくいので、症状が気になるときはまず、病院を受診してください。特に、持病のある方などは早めに受診を」と強く呼びかけた。

 

流行する前にワクチン
罹患したら適切な治療

ウイルス感染のインフルエンザ・新型コロナ感染症・RSウイルス感染症病には、ワクチンがある。流行のピークは、インフルエンザは年末から2月頃、RSウイルス感染症は9月から4月頃といわれており、「医療機関に相談し、流行期に入る前に接種するとよいでしょう」。

一方、新型コロナ感染症は通年で感染が見られ、インフルエンザとの同時感染も警戒される。「特に重症化が心配される高齢者や基礎疾患がある方は、ワクチンを接種しておくとよいと思う。たとえ感染しても軽症で済むことが多い」

一方、細菌感染のマイコプラズマ感染症・溶連菌咽頭炎には、ワクチンはないが、抗生剤によって治すことができる。なお、「マイコプラズマ感染症は4年ごと、オリンピック開催年に流行するので今年は要注意」だそうだ。

感染性胃腸炎は食中毒の症状でノロウイルスが原因。食中毒というと夏をイメージしがちだが、ノロウイルスは11月~3月頃に猛威をふるう。感染力が強く、治療薬は無い。「おう吐や下痢が見られたら、本人だけでなく身近にいる人は触れる物に注意し、手は石鹸を使いよく水洗いしてほしい」と注意する。

なお、アルコール消毒液による洗浄はインフルエンザや新型コロナなどの予防には有効だが、ノロウイルスには効果がないとのこと。

 

基本的な予防が大事
家庭・職場感染も注意

目に見えないウイルスや細菌と私たちはどう対応すればよいのか。基本的な予防策としては、適宜の手洗い、うがい、マスク着用。そのほか、室内の温度・湿度・換気の管理、各自の体調・健康の管理などがカギとなる。
「感染症の知識を持ち、日頃から感染リスクの芽を摘んでおけば、ことさら怯えたり、極端な行動制限をしなくてもよい。もし感染したときは適切な医療措置を施し、家庭や職場においては基本的な予防策を徹底し、感染の拡大を防ぐことが大事です」と横田医師は強調した。

東京ベイ・浦安市川医療センター

浦安市当代島3-4-32
TEL:047-351-3101(代表)
Webサイト

受付時間

平日:8:00~10:30/13:00~16:00
土曜:8:00~10:30

診療時間

平日:8:45~/14:00~
土曜:8:45~

休診日

土曜日午後・日祝と年末年始(12/29-1/3)

 

 

*『かかりつけ医を見つけよう!南行徳・行徳・妙典の病院・クリニック一覧』はこちら