『博物館の少女 怪異研究事始め』
富安 陽子/著(偕成社)
紹介してくれたのは… 信篤図書館 小西さん
〈おすすめコメント〉
明治16年のこと、道具屋の娘花岡イカルは、東京・上野にできて間もない博物館を訪れた時、館長に道具屋の目利きの才を認められて、怪異の研究をしているというトノサマと呼ばれる老人の助手として勤めることになる。ある時、博物館の所蔵品「黒手匣(くろてばこ)」が無くなって…中身が入っていないこの匣(はこ)を、誰が何のために持ち去ったのか、隠れキリシタンゆかりの品と噂されるこの匣の隠された秘密とは…美術品や歴史的な人物などが宝石のように散りばめられていて、イカルとトノサマが秘密に迫っていく場面はとても面白く、江戸時代から文明開化へと移り変わる時代の風情が全体に魅力的に流れていて秀逸な作品となっています。第2弾『博物館の少女 騒がしい幽霊』もどうぞ。