公開日: 2024年1月19日

【相続Q&A】専門家に聞く 知っておきたい

浦安新聞
  • シェア
  • twitter

相続手続きに関するさまざま疑問を司法書士法人オールシップ市山智代表に解説してもらった。

Q 親が亡くなりましたが、離れて暮らしていたため、財産の状況がよくわかりません。どうやって調べればよいですか。

 預金通帳やキャッシュカードがないかを確認します。見つかれば、通帳の履歴からおおよそのお金の流れが見えてきます。また、郵便物も重要です。銀行や証券会社、保険会社などからの通知や明細書が入っていることもあり、これらから、どこにどんな資産を持っていたか、またその金額や残高を確認できるかもしれません。
不動産については、固定資産税の納税通知書があれば、所有していた不動産がわかります。ただし、一定の評価額を下回るものには固定資産税がかからないので、納税通知書に記載されたものが全てとは限りません。不動産が所在する市区町村で「名寄帳」を取ると、課税・非課税を問わず、その市区町村にある所有不動産を一覧で確認することが可能です。
さらに、最近では、インターネットバンキングや投資アプリを利用している方も多く、パソコンやスマホを確認できれば、財産の情報がそこに残っていることもあります。
以上の方法で大まかな財産の確認ができますが、これだけでは十分ではないときも。例えば、ローンなどの借入がある場合や、証券会社預かりになっていない株式がある場合などです。
一つひとつの遺産調査の手続きはそれほど難しくはないですが、種類が多い場合には、専門家に相談することをおすすめします。

Q 見落としがちな相続財産はどんなものですか?


・電子マネー、キャッシュレス決済のチャージ残高
・共有している私道部分の不動産、他人と共有の不動産
・先代の名義のままの不動産
・ゴルフ会員権
・未請求の保険金
・互助会や友の会の積立金  など
特に注意したいのは、電子マネーやキャッシュレス決済のチャージ残高です。最近は多くの方が利用していて、「デジタル遺産」などと呼ばれています。ただし、所有者本人から内容を伝えられていなくて、パソコンやスマホも確認できないとなれば、発見は難しいでしょう。
相続財産を見落とすと、相続人間でのトラブルに発展したり、遺産分割協議をやり直す必要が出てくるかもしれません。また、相続税申告が必要な場合には、財産の申告漏れとなってしまいます。
そうならないためには、相続財産を正しく把握することが必要です。
亡くなる前に、残す側と残される側で情報を共有することが一番です。離れて暮らしていてもわかるように、どんな財産を持っているかをメモやエンディングノートに書いておくことも大切です。

  • シェア
  • twitter
The following two tabs change content below.

浦安新聞

浦安で生活している幅広い方々に最も読まれている地元情報紙。詳細はこちら(明光企画HP)

月別アーカイブ