身近に潜む犯罪を検挙し安心できるまちに
昨年8月に葛西警察署長に就任した飯山署長。昨年の振り返りとともに、課題や今年特に力を入れていくことなどについて話を聞いた。
大人もヘルメットで頭部を守って
昨年4月から「努力義務」となった自転車乗車時のヘルメット。
「残念ながらまだヘルメット着用が浸透しきれていないという印象です。管内発生の交通事故は、全体の4割以上で自転車が関わっています。東京都内の自転車死亡事故では、約7割が頭部に致命傷を負っているというデータもあります」
ヘルメット無着用の場合の致死率は、着用時の約2・3倍に跳ね上がるという。
「自転車に乗るときはお子さんだけでなく、大人もヘルメットを着用してほしい。今後も交通事故防止の対策を強化推進していきます」
日ごろの意識で犯罪被害を防ぐ
自転車盗は、702件(令和5年12月4日現在)と、前年の同日比より45件多い。盗まれた自転車の6割は無施錠だ。「盗まれた自転車は近隣に乗り捨てられていることも多く、無施錠というだけで簡単に盗まれてしまう。ちょっとした時間離れるだけでも、必ずカギをかけてください」
また、昨年は39件(令和5年12月4日現在)発生した特殊詐欺についても注意を呼びかける。
「知らない番号から電話がかかってきたら、念のため電話に出ないでいただきたいと思います。息子や孫をかたる電話は詐欺と思って。必ず本人に確認を」
また「還付金詐欺」も増加している。「医療費の還付金がある。お金が戻ってきます」と言葉巧みにATMに誘い出し、振り込ませる。「ATMで還付金が戻ってくることはありません。また、携帯で通話しながらATMを操作している人を見かけたら、可能なら声をかけてあげて。被害防止につながります」
一方昨年は、銀行・コンビニとの連携による未然防止も24件あった。「積極的な声かけなどで、日頃から詐欺被害の防止にご協力いただいています」
地域の力とともに
「割れ窓理論というものがあります。万引きや自転車盗難、迷惑行為など、身近に潜む犯罪に目を向けてしっかり取り締まり、検挙していく。これらをしっかり取り締まることで、凶悪犯罪も抑止できると考えます」
「葛西地区は地域のつながりが非常に強く、住民の方が警察活動にも理解をしてくださり協力的で、非常に助かっています。これからも署員一同職務に尽力していきますので、ご理解ご協力をお願いいたします」