一年の無病息災を願って
正月の縁起物として用いられる「七草かご」。区内で花卉園芸を営む植重農園(鹿骨5)では、年末に向けて春の七草を寄せ植えした「七草かご」の出荷準備が大詰めを迎えている。
同園で使われる七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)はほとんどが自家栽培。下町ゆかりにこだわって、「亀戸大根」や「金町小かぶ」などの江戸東京野菜を使用している。
12月11日(月)、出荷を目前に控え、鉢に七草の名札を差すなどの作業が行われた。真冬の雪に見立てた真っ白な寒水石を土の上に敷き、竹かごに入れて出来上がり。代表の首代一重さんは「この七草かごは、冬の寒さにも負けず芽を出す七草の生命力を表現しています。この季節の風物詩として楽しんでもらうと同時に、その力強さも感じ取ってほしい」と話した。
「七草かご」は、自宅での観賞用だけでなく、贈答用としても喜ばれている。同園では今シーズン、大小合わせて約2200鉢の七草かごを生産。全国に向けて出荷が始まっており、15日頃をピークに12月下旬まで続く予定で、同園での購入も可能。
七草かごは、一定の温度を保つことができる玄関などに飾り、大きく育った葉を取り除いて霧吹きで水をあげるなど上手に手入れをすると、2~3カ月楽しむことができる。