公開日: 2025年4月14日

<ご近所さんの生活 第23話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
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市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

第23話 『いすの話』

私の部屋には、お兄ちゃんが、先輩からもらって、私が、お兄ちゃんからもらった、大きないすがあります。私は、そのいすを、漫画を描くときに使っています。そのいすは、背もたれを、少し倒すこともできるし、足のところも、折りたたまれているものを、まっすぐにできて、足をのばせるようにできます。だけど私は、そのいすを、漫画を描くときに使っているので、そのあたりは、動かしていませんでした。だけど、お兄ちゃんは、そのいすで寝ていたと、パパとおっかから聞いていたので、私もこの前、そのいすに、かけ布団を持ってきて、そのいすで、寝てみることにしました。そのために、私は初めて、そのいすの、足のところを、のばそうとしました。だけど、やり方がわかりませんでした。それで、おっかにやってもらったら、できました。だから私は、その日初めて、そのいすで寝ました。寝心地は、あまり覚えていないけれど、たぶん、良くなかったと思います。

そのあと、私は漫画を描こうと思って、机に向かいました。漫画を描くためには、いすの足のところがのびていたら、すごく描きづらいなと思いました。だから私は、いすの足のところを、元に戻そうとしました。だけど私は、やっぱり、戻し方もわかりませんでした。私は、いすの足のところをのばしてくれた、おっかならできるかなと思いました。だけど、おっかも、元に戻すことは、できませんでした。私たちは、足をのばしながら漫画を描く、私の姿を想像して、笑いました。しかたなく、のびたいすの足のところを、机の引き出しの部分で、押さえつけることにしました。このいすは、回すこともできます。だから、座りながら、うっかり回ってしまったら、押さえつけている引き出しの部分から、いすの足のところがずれて、いすの足のところが飛び出してきます。そうなると、座っている自分の足が、急にまっすぐになってしまいます。それを想像して、私たちは、また笑いました。だけどそのあと、私は一度、それを、うっかりやってしまいました。たしか、そのときは、いすの足のところを、ふくらはぎで押して、引き出しの部分まで持っていったと思います。おっかは、おっかが、あのいすに座っていて、回ったら、いすの下から、職場の仲のいい人が顔を出して、その人に、「回しちゃだめだよー」と言われる夢を見たと言っていました。私は、その夢を想像して、何度も笑いました。

そのいすは重いので、座ってから、いすを持ち上げて、前に引き寄せたり、立ち上がるのと同時に、うしろに動かしたりできません。だから私は、机といすのすきまから、座ったり、立ったりします。座るときは、背もたれに一度、どーんと、倒れこむように、もたれます。たぶん、すきまから入っているからだなと思います。立つときも、少し大変です。いすから、「座る」、「立つ」というより、「乗る」、「降りる」という感じです。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
ほかのお話はこちら

第1話 第2話 第3話 第4話

第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話

第13話 第14話 第15話 第16話

第17話 第18話 第19話 第20話

第21話 第22話

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

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