市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
第22話
わたしは、よく、おっかと一緒に、スーパーマーケットに買いものに行きます。スーパーマーケットに向かう道の途中に、前に書かせてもらった、かにの話のときに、少し登場した、名もなき水場があります。私とおっかは、名もなき水場でよく、サギを見かけます。名もなき水場が近づくと、私はおっかに、「今日は、サギいるかな?」と言ったりします。私は、おっかにそれを、聞いているわけではないのですが、質問になってしまっているなと思います。そんな、答えに困る質問の返事を、おっかがどう言っているか、私は、おぼえていません。そして、名もなき水場の前に着いて、サギを見つけると、私もおっかも、「いた!」と言います。だけど、この前は、サギを見つけたときに、ちょうど、おっかが私に、私が、かわいいと思っていた洋服を、私のために、インターネットで注文してくれたという話かなにか、とにかく、話をしていました。だから、私は、サギがいることに気づいていながら、すぐには、「あ、いた!」と言うのをやめました。そのとき、サギに悪いなと思いました。
サギは、名もなき水場に、3羽いたときもありました。だけど、ほとんどいつも、1羽でいます。私もおっかも、いつもかどうかはわからないけれど、そのサギが、同じサギばかりではないと思っています。一番最近見かけたサギは、それまで見てきたサギよりも、小さいなと、私もおっかも思ったりしたからです。おっかが、「うす汚い」と笑ったサギも、いたような気がします。だけど、うす汚いサギは、よく来ているサギで、その日たまたま、うす汚かったのかもしれません。
この前、スーパーマーケットに出かけたときに、名もなき水場の前を通ったら、その日は、サギがいませんでした。私は、つまらないなあと言って、おっかと、スーパーマーケットに向かいました。帰り道で、私はおっかに、「今日は、サギに会わなかったね」と言いました。その瞬間に、私もおっかも、笑いました。この前書かせてもらった、私が、ごはちゃんのことを、外で、ちゃんとした名前の「ごはん」と言って、「動物みんな、ごはんに見える」と言ったときとは違って、このときは、近くに、私とおっか以外のヒトは、いませんでした。だから、私とおっかのことを、詐欺にあわない日の方が珍しい親子、と勘違いしているヒトは、いないと思います。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。