一般社団法人日本アレルギーらいふ協会
山本 聡子さん
畑の魅力と講師の言葉
アレルギーがあり、体調がすぐれないことが多かった山本さん。症状緩和につながればと薬草の勉強をしていたところ、知人から畑作りコミュニティのハーブ担当を頼まれた。それまで実際に畑仕事はしてこなかったが、自然に触れながら楽しく体調を整えられる畑の存在に、たちまち魅了された。
ハーブ仲間と畑活動を楽しんでいると、知人からTMOをすすめられる。受講してみると、講師の言葉が山本さんに突き刺さった。
「地域活動はボランティアではなく経済を回していいんだよ、と。長く主婦だったので、自分の活動で収入を得ることは考えていませんでしたが、先生の言葉で、こうしたい、あんなことができるのではと、ビジョンが広がり、わくわくが止まりませんでした」
TMO受講で成長できた
当初は社会のことはおろか、パワーポイントの使い方さえ分からない状態。講義を受け、ディスカッションし、考えをまとめ、資料を作り、発表。仲間にも助けられながら、すべてが学びだった。
修了後もハーブでの健康づくりをテーマに活動していたが、「成長した自分が取り組んでいる活動の意義を発表したい」と、4年後に再びTMOを受講。学びを深め、農業を活用した健康づくりプログラム「グリーンジム構想」を提案した。
山本さんは現在、日本アレルギーらいふ協会の活動を中心に取り組んでいるが、「アレルギーを持つ人も楽しく快適に暮らせる社会をつくる」という思いはずっと変わらない。そしてその社会は、アレルギーのない人たちにとっても、より健康的な環境になるはず。そんな思いを伝えたいと、畑コミュニティをはじめアレルギーに関するイベント開催にも意欲的だ。
敵を作らず、思いを伝える
同協会では昨年に引き続き、今秋も「アレルギーライフ展」を開催する。千葉商科大学とコラボし、学生たちに企画・運営に携わってもらう予定だ。
「以前、アトピーで肌がデリケートな息子さんが使えるシェーバーを知りたいとの声がありました。悩んでいる皆さんが欲しい情報を発信できれば。若い世代にもアレルギーを持つ人は多いので、一緒に考えていきたいですね」
イベント開催には行政やメーカーへの出展・協力の依頼が欠かせないが、ここでもTMOでの学びが役立っているという。
「『敵は作るな』と教わりました。体調が悪いと、つい世の中が悪いと考えがちですが、それでは何も解決しません。行政や会社それぞれの考えや使命があることを理解して、こちらの思いを真摯に伝えて一緒に作っていきたいと思います」