公開日: 2025年3月17日

<ご近所さんの生活 第19話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
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市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

第19話

我が家は、おっかが夕ご飯を作ってくれる日と、私が夕ご飯を作る日があります。

この前の、私が夕ご飯を作る日に、私は、水餃子のスープを作りました。私は、水餃子を、ひとり3つずつ食べる計算で、9つ入れて作りました。この水餃子のスープを、私が、みんなのお椀によそえばよかったのですが、みんなで、夕ご飯を食べようというときに、おっかが温め直して、おっかが、それぞれのお椀に、よそってくれました。私は、そのときに、おっかに、水餃子は、ひとり3つずつで作ったよ、ということを、伝えるのを忘れてしまっていました。

私は、「あ、水餃子の数、おっかに伝えるの忘れちゃったな」と思いながら、水餃子のスープを飲んでいました。だけど、私のお椀には、私の予定どおり、水餃子が3つ入っていました。

だけど、その3つの水餃子とは別に、その後、私のお椀から、2つ分の、水餃子の肉だけが出てきました。

だから私は、パパか、おっかのどちらか、それか、パパもおっかも、ひとつずつ、水餃子の皮だけを、こっそり、我慢しながら食べていることになるなと思いました。私は、「私のスープに、水餃子が3つと、それとは別に、水餃子の肉だけが、2つあるから、だれか、皮だけ食べた人がいる」と言いました。

パパも、おっかも、私も、笑いました。我が家では前に、これの、もなか版の、同じようなことがありました。だから、そのときの、もなかの皮だけを食べた人の名前を、パパと私で、「〇〇さんだ!」、「〇〇さんだ!」と言いながら、笑いました。パパも、おっかも、けっこう私に、気を遣ってくれるので、このときも、おっかが、「おっかの水餃子に、肉が入ってない!」と言ったり、パパが、「水餃子の肉、返せ!」と言ったりすることは、ありませんでした。だから、水餃子の皮だけを食べたのが、だれだったのかは、きっと、これからもずっと、わかりません。私は、たぶん、「でも、この水餃子、皮だけでも、おいしいよね」と、水餃子の皮のフォローみたいな言い方をした、パパだったんじゃないかなと思います。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
ほかのお話はこちら

第1話 第2話 第3話 第4話

第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話

第13話 第14話 第15話 第16話

第17話 第18話

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

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