市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
第17話
私は、ごはちゃんのことを、「ごはちゃん」と呼んでいます。だけど、ごはちゃんの、ちゃんとした名前は、「ごはん」です。その「ごはん」という名前が原因で、この前、私は、知らない人に、地獄の火かき棒握り女に思われてしまったかもしれません。
私は、動物が大好きです。これまで、動物の前でも、動物が映っているテレビの前でも、何度も何度も、「かわいい」と言ってきました。そして、私が、「かわいい」と言いながら、よく思うことは、動物がみんな、ごはちゃんに似ているな、ということです。動物たちの仕草なのか、毛なのか、なんなのか、よくわからないのですが、とにかく私は、動物を見ていると、よく、ごはちゃんを思い出します。
この前、ごはちゃんがお世話になっている、動物病院に行きました。ドアを開けると、先に来ていた、動物と、ヒトがいました。私は、その動物が、なんの動物だったのか、忘れました。だけど、ごはちゃんと同じ、猫ではなかったと思います。だから、その動物の見た目は、ごはちゃんとは似ていなかったと思うのに、やっぱり私は、その動物を、ごはちゃんに似ているなと思ったのだと思います。だから私は、帰り道で、一緒にいたおっかに、「動物みんな、ごはんに見える」と言ったんだと思います。
私は、どうして、「動物みんな、ごはんに見える」と言ったか、までは、あまりおぼえていないですが、「動物みんな、ごはんに見える」と言ってからのことは、おぼえています。
私が、「動物みんな、ごはんに見える」と言ったときに、ちょうど、私たちの近くを通ったヒトがいました。そして、おっかが笑いました。私はいつも、ごはんを「ごはちゃん」と呼んでいるのに、そのときに限って、「ごはん」と言ってしまったから、近くを通ったヒトには、私が、
「動物みんな、ご飯に見える」
と言っていると思われてしまったかもしれないからです。
私は、この前、近所の動物園の、年間パスポートを買いました。だから、これからたくさん、動物園に行けたらいいなと思います。だけど、その動物園で、「動物みんな、ごはんに見える」と言ったら、せっかく買って、ラミネートで、つるつるにまでしてもらった年間パスポートに、「無効」というスタンプを押されて、私が来たら、見張りのミーアキャットが合図をして、門が閉まるようになってしまうかもしれないなと思います。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
ほかのお話はこちら
武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。