公開日: 2025年2月21日

増田明美さんを講師に健康講演会

行徳新聞
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人生の長距離走を楽しもう

市川市主催の健康講演会が1月29日(水)、市川市文化会館小ホールで開催され、スポーツジャーナリストの増田明美さんが「自分という人生の長距離ランナー」と題して講演した。

増田さんは千葉県いすみ市出身。マラソンランナーとして1984年ロサンゼルスオリンピックに出場した。現在はスポーツジャーナリストとして活動し、テレビなどの陸上競技中継の解説者としても知られる。日本パラ陸上競技連盟会長としてパラスポーツ振興にも尽力している。
講演に先立ち田中甲市川市長は「健康寿命日本一を目指し2022年からスタートした健康講演会が第10回を迎えた。増田さんのお話を聴き、皆さんにますますお元気になっていただきたい」とあいさつした。

平均寿命と健康寿命の差を縮めたい

増田さんは、「日本人の平均寿命は世界一になった。大切なのは生涯を健康に生きること」と述べ、健康寿命を延ばすことを訴えた。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」(厚労省)のこと。日本では平均寿命より健康寿命が10年ほど短く、「平均寿命と健康寿命の差を縮めたい。どうしたらいいでしょうか」と問いかけた。

2本の脚は主治医、笑いは活力

母親の介護をした自らの体験から、「人は出歩けなくなると、何事にも意欲が衰える」と増田さん。「担当医師から『2本の脚は主治医です』と教えられた。歩くこと、外出することが大切」と説いた。
また、人は気持ちが塞ぐとマイナス志向になりがち。親交のあった作家の永六輔さんが、「仕事の旅先でいつも奥さまに聞かせる笑いのネタを探していた」のを思い出し、自分も母を笑わせようとテレビ番組「笑点」を見てはノートを取った。たとえば、18歳と81歳の違いは「18歳は、自分探しをしている。81歳は、人に捜される」。増田さんが書き留めた傑作の数々が披露され、会場は笑いで満たされた。
「人生はいろいろ。笑えないときもあるけど、そういうときでも一回は笑いましょう」と呼びかけた。

座右の銘は「知好楽」

最後に自身の座右の銘として論語の中の「知好楽」を紹介。物事に対して、よく知っているだけの人は、それが好きな人にはかなわず、さらに、それを楽しむ人にはかなわないという意味だ。
「40歳を過ぎてこの言葉に出合い、今までの私のマラソンは『知』だったと思った」
昨年、自身の還暦を記念しフルマラソンに出場し、5時間12分で完走。「私より年上のランナーたちが、うれしそうに私を抜いていく。終わるとみんなが笑顔で集まった。走るってなんて楽しい」
増田さんは「人生という長距離走は、知好を経て楽に至る。皆さん、健康で楽しく走り抜きましょう」と締めくくり、会場から大きな拍手が送られた。
参加した80代の男性は「たくさん笑って元気をもらった」と喜んでいた。60代の女性は「病気の親の介護をしているが、帰ったら親にも『知好楽』の話を伝えたい」と話した。

 

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