市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
第15話
ごはちゃんは、時々、叫びます。ごはちゃんの叫び声は、ものすごく大きいです。それに、いつものごはちゃんの声とは、全然違います。なかなか、悪い声です。私は、そのときのごはちゃんの声を、「くさい声」と呼んでいます。私は、ごはちゃんが叫び始めると、ごはちゃんに、「くさい声!」と言います。私は、ごはちゃんのくさい声を、うるさいし、こわいなと思います。ごはちゃんのくさい声は、だいたい「アー」から始まります。そして、一番盛り上がるのが、「アアアオーゥ!」と叫ぶときだなと思います。おっかや私には、「アアアオーゥ!」が、「バカヤロウ!」と聞こえます。くさい声は、毎回20秒くらいで終わると思います。
ごはちゃんは、明け方にも、くさい声を出します。そんななか、元旦がやってきました。私も、パパもおっかも、大晦日の夜に眠っていたのですが、元旦の明け方も、ごはちゃんは、くさい声を出しました。だから、私が今年、初めて見た生きものの姿は、くさい声を出すごはちゃんで、今年初めて呼んだ名前も、「くさい声やめて」という気持ちで呼んだ、「ごはちゃん…」でした。
私は、ごはちゃんに、くさい声を出されても、その後眠ることができました。朝に起きたら、おっかが起きていました。話題は、やっぱり、明け方の、ごはちゃんのくさい声のことになりました。おっかが、「パパは、ごはちゃんが、『おめでとう!』って言ってるように聞こえたらしいよ」と言いました。私は、ごはちゃんが、怒っているみたいに叫ぶほど、「おめでとう!」と、新年をお祝いしていたところを想像して、笑いました。今思えば、それが、私の初笑いだったかもしれないなと思います。
この前、私は、布団の中から、廊下でくさい声を出しているごはちゃんを見ていました。そうしたら、くさい声を出すごはちゃんの姿が、何かに似ているなと思いました。だけど、そのとき私は、寝ぼけていたので、何に似ていると思ったのか、全然覚えていないし、思ったものが、全然、似ていないかもしれません。なんだか、男の人と、ポテトチップスと、尻もちみたいな動作が関係したような気がします。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。