『文字に聞く』
南鶴溪/著 草思社(2023年)
紹介してくれたのは…浦安市立中央図書館 両角さん
〈おすすめコメント〉
著者は、「字書きは文字学者でなければならない」という教えを師匠から受け継いでいる書家・南鶴溪さん。この本ではその教えのとおり、漢字の成り立ちや背景、文字にまつわるエピソードを書家ならではの視点で解説しています。
「月」の部首には「月へん」、「肉づき」の他にもう一つ種類があること、書道において大事な「﹅(点)」はもともと燃える火を表していたことなど、身近な文字でも詳しい成り立ちまでは案外知らないものです。
中国のことわざには「筆跡は第一の顔」というものがあるそうです。書は人なり。デジタル機器の普及した今だからこそ、文字に思いを馳せながら自らの手で表現することも大事にしたいと思わせてくれました。