公開日: 2025年1月17日

【新春インタビュー】消防力の充実強化 地域一体で防災力向上を

いちかわ新聞
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火災がないまち、天災に強いまち、的確な救急活動ができるまち。年頭にあたり、市川市の消防力の充実強化に向けた抱負を、「生まれも育ちも市川市」の角田誠司市川市消防局長に聞いた。

地震など大規模災害への備えを着実に

昨年の元日に北陸地方を襲った能登半島地震は、地震大国日本に改めて強い警鐘を鳴らした。角田局長は30年前の阪神淡路大震災で、特別救助隊員として市川市から出動し、倒壊家屋で被災者の救出活動にあたった。「目の当たりにした震災の恐ろしさを、決して忘れない」と語る。
南海トラフ地震、首都直下地震への対策は、市川市でも大きな課題である。さらに、近年の異常気象がもたらす水害や猛暑対策など、業務は地域の生命線だ。
 昨年は、土砂崩れや倒木などの対処に不可欠の重機と、重機搬送車を新規配備した。行徳地域を管轄する南消防署の建て替えに向けた計画策定をはじめ、施設や車両の整備・更新も着々と進めている。
他の自治体の災害に際し出動する緊急消防援助隊についても、「市川市が被災地になった場合の受け入れ態勢も整備したい」と話す。

火災件数が昨年と比べ増加

消防出動状況について、昨年は火災が94件で、前年比28件増となった。
出火原因で一番多かったものはタバコで13件。タバコは前年に続き、出火原因の1位で一層の注意が求められる。
電気関連の火災も増えている。電気関連の火災はコンセントのほこりやタコ足配線などによって発生する。また、スマートフォンやパソコンなどに使われているリチウムイオンバッテリーは老朽化や、落として故障したことに気付かず充電して発火することも。「正しい使用・保管方法を守るようお願いしたい」と呼びかける。
火災予防のため、住宅用火災警報器、感震ブレーカー(地震の揺れで自動的に通電を止める装置)の設置について、今後も広報に努めるという。

救急車を呼ぶか迷ったら

昨年の救急車の出動は2万7863件(前年比981件減)。件数は前年を下回ったものの依然高い水準にある。市内にある救急車は13台であることから、救急車の適正利用が大切だ。「緊急性の高い事案はためらわず119番に電話を。迷ったときは、あんしんホットダイヤルに電話していただきたい」
市川市のウェブサイト『救急車を呼ぶか迷ったら』のページには、緊急性が高くためらわず救急車を呼ぶべき事例と、あんしんホットダイヤルについて紹介されている。

「Live119」などデジタル活用も

救急活動の向上のためデジタル技術の活用にも力を注ぐ。
昨年10月から市川市と近隣9市でスタートした映像通報システム「Live119」は、スマートフォンで119番に通報し、受け付けた消防指令センターの担当者が必要と判断した場合に、映像を共有しながら現場の状況把握や応急処置を施すことができるというもの。12月末日までに142件の利用があったという。
最後に、地域防災には消防団の存在が大きい。市川市消防団は昨年、消防団として最も名誉ある賞といわれる日本消防協会特別表彰「まとい」を受賞した。角田局長は「今後とも消防団、市民の皆さまと力を合わせ、市民の安全、安心を高めたい」と力強く語った。

◇  ◇

あんしんホットダイヤル

TEL: 0120-241-596(24時間無休)

 

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