公開日: 2025年1月10日

無料で受けられる江戸川区の口腔がん検診

葛西新聞
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40歳以上だれでも受診可能

口腔がんは口の中にできるがんのことで、江戸川区歯科医師会では江戸川区委託事業として40歳以上の区民を対象に無料の個別検診を実施している。
早期発見・早期治療につながる口腔がん検診について、伊能智明理事に話を聞いた。

地域の歯科医院で受けられる無料の口腔がん検診

江戸川区の口腔がん個別検診は平成27年からスタート。40歳以上の区民なら誰でも2年に1度、無料で受診できる。検診を行うのは江戸川区歯科医師会の認定医。つまり、普段通っているかかりつけなど、地域の歯科医院で気軽に受診できるということ。
「歯科医院で受けられる個別検診があることを知ってもらい、より多くの人に受診してもらいたい」と伊能理事が話すように、区が行うがん検診の中では口腔がん検診の受診率は低い。胃がんや肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんに比べると口腔がんの発生数は少なく、病気としての認知度が低いためとも考えられるが、「まずは口の中にもがんができることを知ってもらい、早期発見、早期治療が何より大切であること、そのための検診が通年実施されていることをもっと周知する必要性を感じています」。

見える場所にできるがんだからこそ早期発見・早期治療を

口腔がんが他のがんと違うのは発生するのが「見える部分」であること。舌や頬などに発現するケースが多く、がんが大きく進行してからの手術になると顔の変化に大きく関わってしまう。
「口腔がんで切除するのは顔や口の中の一部なので、見た目が変わることによる心理的影響が大きい。また、食べる、話すといった機能にも大きく影響します」
患者の生活への影響を少なくするには、切除をできるだけ小さく済ませることが大切で、そのためには何より早期発見と早期治療を、と伊能理事は呼びかける。

口腔がん検診はどんなことをするの?

口の中の粘膜にできるのが口腔がん。検診では頬や舌など、粘膜の表面を視触診する。
歯科医師が必要だと判断した場合のみ、細胞診が行われるが「表面を綿棒のようなもので擦って採取するだけなので痛みはありません」。採取した細胞サンプルは連携している検査機関で検査され、後日結果が届く。

がん検診とは「がんがないこと」を確認する機会

「もし病気が見つかったら…と怖がって検診を受けない方もいらっしゃるようですが、がんがないことを確認するのががん検診なのだと考えてみてはどうでしょう。健康診断のように定期的に受けて『何もない』ことをチェックするまたとない機会ではないでしょうか」
歯科医師会では平成23年から口腔がんの「集団検診」を主催開催。その成果が認められ、区の「個別検診」が始まったという経緯がある。
「区民の皆さまの健康を守るために何かわれわれにできることはないかとの思いで始まったがん検診です。集団検診からスタートし、今では通年で個別検診が受けられるようになりました。無料で口の健康状態を確認できる機会です。ぜひ、受けてみてください」


伊能智明理事

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