『レーモン・クノー・コレクション 7　文体練習』図書館スタッフさんのおすすめ本

『レーモン・クノー・コレクション 7　文体練習』

レーモン・クノー／著（水声社刊）

紹介してくれたのは…浦安市立中央図書館　池田さん

〈おすすめコメント〉

この本は、小説でもエッセイでもありません。とある些細な出来事を99の異なる文体で書き表したものになります。起こった出来事はみな同じでも、視点の違いや表現の仕方によって読み手の受ける印象は驚くほど異なります。長い文章を読むのが苦手な方やまとまった読書の時間が取れない方でも、そのバリエーションから文章の自由さを味わっていただけるのではないかと思います。さらに訳者の解説をあわせて読めば、それぞれの文体の正体だけではなく、言語の特性や翻訳者の苦労などが垣間見えます。この本に出てきた文体を試すのも、新たな文体を作り出してみるのもまた面白いものです。何層にも楽しめるこの一冊から、読書の秋を始めませんか？