自分の口の中に自信を持ちましょう!
自分の口内の健康に自信があるという人はそういないのでは? 不安はあるけれど歯医者はちょっと…。そういう人の背中を押す、市川市歯科医師会の白土謙之介歯科医師に、話を聞いてみた。
歯が悪くなったのは、誰の責任?
歯医者に来院する患者さんは、さまざまな悩みを抱えています。中には、ご自身の口の中の状態を恥ずかしそうに伝える方や、口の中を見せることに自信がない方もいらっしゃいます。また、「こんなに悪くなるまで放っておいてすみません」と謝る方もいます。
多くの患者さんが、口の中の状態が悪化したのは自分の責任と思っているようですが、果たして、口の中が虫歯や歯周病で悪化してしまうのは、本当に患者さんの責任でしょうか?
虫歯・歯周病は「生活習慣病」と言われています。読んで字の如く、生活習慣の影響で虫歯・歯周病は悪化していきます。
生活習慣病というと、不摂生により発病しているから、なんとなく自分の責任と考えてしまうかもしれません。ところが多くの患者さんの話を聞いていると、生活習慣病(虫歯・歯周病)はただ単に不摂生を続けた結果ではないようです。
例えば、
・ご家族の介護で、自分が歯医者に行く時間が取れなかった
・子育て中で、自分の歯磨きは適当になってしまう
・仕事が忙しく毎日へとへとで、歯磨きをせずにそのまま寝落ちしてしまう
・テストや試験の勉強で、集中するために甘いものを多く食べるようになった…など。
この方たちの虫歯・歯周病は、ただ不摂生を続けた結果と言えるでしょうか。むしろ、一生懸命に頑張った結果のように思えます。頑張って生活して、その結果悪化してしまった虫歯や歯周病。後悔せずにむしろ自分を褒めてあげるぐらいの気持ちがちょうどよいかもしれませんね。
そして、自分の健康に目を向ける余裕が出たら、その時に一生懸命健康を目指せば大丈夫です。
歯医者で口の中を見せることは緊張するかもしれませんが、恥ずかしがる必要はないので、気楽にお近くの歯医者をお訪ねください。
健康に「手遅れ」はあるか?
また、悩みを抱える患者さんの中には、ご自身の口の中を治療することに「手遅れ」と感じている方もいます。これについて歯医者の立場からお話しさせていただくと、健康を目指すことに「手遅れ」ということはありません。
歯医者に行って、その日の夜、いつもより丁寧に歯磨きをすれば、口の中の細菌が減り、確実に健康に近づきます。どんな口の中の状態でも、今より良い状態にできることは必ずあります。
歯科医療従事者は、患者さんがどうすれば健康になれるのかをいつも考えています。
ようやく暑い夏が終わり、外出しやすい季節になってきました。日々の生活に少し余裕が出たら、お口の中のチェックに歯医者に行くのはいかがでしょうか?