公開日: 2024年9月2日

先生が学ぶワークショップ ライフスキル教育プログラム

いちかわ新聞
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子どもたちに生きる力を養わせるために

7月29日(月)、中山小学校で、市内の公立小学校全校の教師を対象に「授業スキルアップのためのワークショップ型研修」が開催された。市川市公立学校長会とライオンズクラブ国際協会が主催するもので、千葉県内での開催は7回目。
国内にわずか10人しかいないといわれるライオンズクエスト認定講師の柴咲子さんを迎えたこの日は、若年層を中心とした38人の教師が参加した。

ライフスキル教育プログラムとは?

子どもたちが失敗や挫折や困難に直面したときに、どのように切り抜けて立ち直っていくかを教えるのがライフスキル教育プログラム(ライオンズクエスト)のテーマだと、市川ライオンズクラブの石原副委員長は言う。「ライオンズクラブメンバーが子どもたちに直接伝えるには限りがある。まずは子どもたちの身近にいる先生たちに伝え、学んでもらい、今後の学級経営や授業に生かしてもらいたい。こういうことって教科書には書いてないですから」
講師の柴さんは「教師という職業は、子どもたちだけでなく保護者や職場、幅広い年齢層の人と連携を取りながら学級経営をしていかなければならない。先生同士で学んだり、仲間と課題に取り組む機会が必要だと感じています」と語る。
プログラムは、初めに互いを知り、安全安心な環境を作る活動から始まる。ルール作りやプログラムの必要性を学んだ後、模擬授業、振り返りなど、チームに分かれて役割を分担しながら課題に取り組んでいく。基本編を修了した人は、次のステップとして実践編を受けることができるという。

まずは緊張をほぐして心を開く

柴さんが、自己紹介の前にいつもやっている1つの行動がある。
この日は「国語の先生、手を挙げて!」と呼びかけ、手を挙げさせた。柴さんいわく、何か共通点を見つけると、自然と仲間意識が芽生えるのだという。また、子どもと関わってきた年数を順番に聞いていき、「みんなの歴と私の歴も合算するとなんと226年! この場にいる全員が力を合わせたら何でもできる気持ちになりますよね」と笑った。こんなやりとりで参加者の緊張も一気にほぐれ、その後の自己紹介は結構饒舌に。その後の研修も順調に進んだという。
 「どんな内容の研修なのかよく分からないまま参加したが、リラックスして楽しめた。レクリエーションから学級経営まで、学校では学べないことを体験できたのが良かった。早速、学級に持ち帰り生かしたい」と参加者の1人(女性教師)は話した。

同プログラムは、教師だけではなく、PTAや子ども会など、子どもと関わるあらゆる人を対象にしたもの。
ライオンズクラブ国際協会が手掛けるテキストは約50カ国語に翻訳され100もの地域で活動の指針となっている。いじめや不登校が減ったという効果も多数報告されているそうだ。
「今年度は受講者全員に追跡調査を実施し、年末ごろには集計予定です」と、石原副委員長。

講師の柴咲子さん
和やかな雰囲気で研修

 

 

 

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