公開日: 2024年8月5日

司書のいる保育園が 文部科学大臣表彰を受賞

浦安新聞
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子どもが絵本に触れる機会を増やしたい

みのり保育園(猫実)とふたば保育園(北栄)は全国でも珍しい司書がいる保育園。子どもの読書活動を推進するための特色ある取り組みが評価され、「令和6年度子供の読書活動優秀実践園」として文部科学大臣表彰を受賞した。
2園を運営する社会福祉法人芳雄会の芝﨑章吾理事長と中川一世みのり保育園長、岡田早苗ふたば保育園長に話を聞いた。

芝﨑理事長によると、2園と司書との出会いは、8年ほど前にふたば保育園で開いた絵本をテーマにした勉強会。その際、講師を務めたのが当時、浦安市立図書館の司書だった伊藤明美さんだ。「司書として園児の読書活動にアプローチしてもらいたい」と図書館退職後に園の司書として迎えたという。
多くの保育園では園内図書として市立図書館の貸し出し本を活用している。しかし2園内に並ぶ本のほとんどは司書が選んだ園保有の絵本だ。初めは1000冊ずつ。その後、数はさらに増えているという。
「およそ3世代で読み継がれる絵本は良い絵本(=良いものは残る)」という考えで伊藤司書は本を選んでおり、必然的に「保護者も子どもの頃に読んだことがある絵本」が多く集まった。絵本コーナーに足を踏み入れると確かに知っている絵本がたくさんあって、懐かしい思いがする。
また、季節や行事などテーマに合わせた本を集めた棚や、毎日変わる「今日の一冊」など、司書ならではの工夫が随所に見られる。
保育園に司書を迎えたことでどのような変化があったのかと問うと、「保護者の反応が変わりました。読書に関心を持つ人が一層増えたように感じます」と芝﨑理事長。
保護者の関心が高まると絵本を読み聞かせる、子どもと一緒に絵本を開く、そういった機会が増える。絵本コーナーには読み聞かせをする「お話の部屋」があり、そこで親子で絵本を楽しむ姿も多く見られるそうだ。

授賞式は子ども読書の日の4月23日に行われた。5月には市役所を訪れて市長に受賞の報告も。
「われわれが積み重ねてきたものが評価されてうれしく思います」と中川園長。また、岡田園長は「日頃から保育に読書活動を取り入れてきたことが認められた。続けてきてよかった」と話す。
「幼児教育とはいわば土台づくり。すぐに結果が出るものではありませんが、子どもたちの原体験の1つとして『読書』が未来にきっとつながっていくと思います」と理事長。「今は珍しくても、将来、保育園に司書がいるのが当たり前になるといいですね。今のところ絵本は園内閲覧のみですが、いずれは家庭への貸し出しもできるようになれば」と今後の展望を語った。

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