働く現場の声を伝える
6月10日(月)、千葉商科大学(国府台)で、東京ベイ信用金庫の職員による金融教育の授業が実施された。サービス創造学部の主に2年生を対象とした「企業実践知応用」の授業内で行われたもの。
初めに登壇したのは、東京ベイ信用金庫地域サポート部の榊大輔課長。同信金の創立や事業規模などの概要を説明し、業務内容についても詳しく解説した。銀行と信用金庫の違いについても言及し、銀行が営利法人なのに対し、信用金庫は非営利法人であること、より地域密着型だと伝えた。「当信金は、中小企業への経営支援を通して地域貢献活動を行っている。今回のような金融キャリア教育も地域貢献活動の一環で、受講者は1万人を超えた」と話した。
また、同信金の開店前と閉店後の店内の様子を映したビデオを流し、学生たちは普段見ることのできない業務の様子に、皆見入っていた。
続いて、実際に現場で働く職員が登壇。
同大学の卒業生である、渉外係の相馬さんは、「最初、お客さまの所へ集金にうかがうのが不安でした。でも実際に訪ねてみると皆やさしく声をかけてくださり、想像と違っていた。お客さまの役に立てることがやりがいです」。また、渉外係の渡邉さんは、顧客と信頼関係を作るために「清潔感」に気を配っていると話す。「いつかは店長に」という目標を持って日々業務・勉強に頑張っているそうだ。
営業課の安斎係長は子育てをしながらキャリアを続けている。「職場のみんなに支えてもらったおかげで仕事を続けることができた。これからは支える立場になりたい」
学生からも質問があり、職員が答えた。特殊詐欺の対応については、「口座の動きをチェックし、不自然な取引があった場合は本人へ確認を行っている」。地域貢献の事例については「創業支援」を挙げ、「店が繁盛すると地域が賑わい、経済の活性化につながる」と答えた。そのほか、SDGsへの取り組みや今後の景気の見通しについてなど、質問は多岐にわたった。
授業を担当する山田耕生教授は「本学は実学を重視している。実際に社会で活躍する方々から直接話を聞くことができるのは、学生にとってとても勉強になる」と語った。