お寺を回って、楽しい体験
6月12日(土)、妙典、本行徳、関ヶ島にある8つの寺(妙好寺、徳願寺、長松寺、妙覚寺、圓頓寺、浄閑寺、本久寺、徳蔵寺)を回って歩く「行徳寺のまち 回遊展」が開催された。各寺の本堂等で珍しい体験もでき、多くの人が「寺のまち」を楽しんだ。
●キリシタン灯籠(妙覚寺)
権現道通り沿いにある妙覚寺(日蓮宗)の境内には、東日本では珍しいキリシタン灯籠がある。僧侶の梅木是温さんが、秀吉によるキリスト教禁止の歴史についてや、第二次世界大戦後に不思議な縁で灯籠が発見された経緯、灯籠の意味などを丁寧に説明。訪れた人たちは聞き入っていた。
●写経体験(圓頓寺)
明治の大火でも山門のみが残った圓頓寺(日蓮宗)では、写経体験が開かれた。
また、行徳まちづくり協議会のメンバーが、『ぎょうとく昔語り』の中から同寺にまつわる話「化け松」についての展示をし、訪れた人たちに説明した。
●落語会(浄閑寺)
浄閑寺(浄土宗)では、地元若手落語家の三遊亭樂八さんの落語会が開かれ、早くから満席になった。出し物は「味噌豆」「紙入れ」「浜野矩随(はまののりゆき)」の3席。最後の演目「浜野矩随」は、ユーモアもありながらしみじみとした人情噺で、クライマックスでは会場全体が水を打ったような静けさに包まれ、皆が樂八落語に聞き入っていた。
この日、ボランティアとして自転車整理や会場案内をしていた第七中学校の高橋塔真さん(1年)と佐藤悠馬さん(2年)も、役目を終えて落語会に参加。「本物の落語を生で聞いたのは初めて。すごくよかった。ダジャレも面白かったし、声のトーンが良くて聞きやすかったです」と興奮気味だった。
普段は非公開にしている阿弥陀如来像のご開帳も。合掌していた女性に聞くと、「2年前に都内から行徳に転居してきた」という。「歴史のあるところだとは思っていましたが、こんなにお寺や神社が多いことに驚いています。お祭りにも興味があるし、ますます散歩が楽しみですね」と、笑顔で語った。
この日は、ほかにも座禅体験(長松寺)やチェロコンサート(徳願寺)、仏画展示(徳蔵寺)、仏具体験(本久寺)、門前出店(妙好寺)やキッチンカー、マルシェなど、さまざまなイベントが実施され、「行徳千軒寺百軒」と言われた寺町行徳は、一日多くの人でにぎわった。