都内自治体初メタバース上で式典を開催
江戸川区と東京情報デザイン専門職大学(小松川2)は4月26日(金)、「メタバース区役所」の実現に向けたプロジェクトチームの発足式を開催。発足式はメタバース上で行われ、同大学の中鉢良治学長と斉藤猛江戸川区長が出席した。
技術的課題解決に向け連携
江戸川区は、自宅や会社などから手続きや相談を行うことができる「来庁不要の区役所」を目指し、電子申請化やオンライン相談を推進。その一環として、メタバース上で全ての手続きや相談を行うことができる「メタバース区役所」の実現を目指している。昨年9月から、区内障害者団体の協力による実証実験を実施し、課題の抽出を行ってきた。
「東京情報デザイン専門職大学」は、昨年4月に区内に開設された4年制の専門職大学。システムエンジニアやプログラマーなど、DX時代を担う人材を育成している。
区は、同大学を運営する「学校法人滋慶学園」(東葛西6)と2021年3月、地域社会の活性化などを目的に包括的連携協定を締結。福祉や健康など、さまざまな分野で協働している。
「メタバース区役所」を実現するため、専門的知見や人的資源を有する同大学との連携を決定。プロジェクトリーダーの大舘隆司准教授のもと、技術的課題の解決に向けた連携を図っていく。
6月からは、メタバースを活用した一般区民向けの相談・申請支援対応を予定。利用者の意見や要望等を同大学と共有し、必要な機能の整理などを行う。
メタバース上で式典を開催
4月26日(金)、メタバース上につくられた式典会場では、中鉢学長と斉藤区長のアバターが出席し、あいさつとフォトセッションを行った。
斉藤区長はあいさつで「メタバース空間でコミュニケーションを取りながら申請手続きや相談ができる」と意義を語り、「専門的知見を持つ大学の皆さまと協力しながら、究極のバリアフリーを目指していきたい」と述べた。中鉢学長は、「多様な区民の皆さま一人ひとりの技術的な課題に対する改善に貢献していきたい」と話した。
その後、区担当者がプロジェクト概要を説明。発足式後には、「行政分野におけるメタバース活用」をテーマに、大舘准教授、区内企業のイナマス株式会社の稲益彩香代表、区DX推進課の渡邊良光課長によるパネルディスカッションが行われた。