公開日: 2024年3月21日

3月22日号「いちかわ・行徳俳壇」結果発表!

明光企画スタッフ
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いちかわ・行徳俳壇

たくさんのご応募ありがとうございました。
ご応募いただいた中から見事選ばれた特選2句、佳作3句を発表いたします。

選者コメント

投句者の一人から自分の句は類想句ではないかという心配のお便りをいただきました。
類想句と思われる他者の句を拝見しましたが、確かに季語と座五は同じでしたが中七の措辞が全く違う意味の俳句でした。
俳句は五七五の定型と季語が原則です。季語は作者と読み手との思いや想像を共通なものにし、意味を伝え易くします。
しかし季語を入れますと、残りの言語数が限られ類想句が多発します。例えば「桜」は誰でも詠みたい季語で、多くの俳人が秀句をたくさん残しています。
類想句にならず、自分の伝えたい意図の句を作るためには、類想を恐れず多作他捨(たくさん作ってたくさん捨てる)に心がけ、歳時記を十分参考にしてください。次回はぜひ先人の「桜」を超える自分の「桜」の句を詠んでみてください。
「桜」の名句ひとつをご紹介します。
「まさをなる空よりしだれざくらかな」富安風正 市川市真間山 弘法寺にて

いちかわ俳壇


 特選

  • 春の風邪濃ひ目に淹るるミントティー
    (葛飾区/白翠)

    【評】冬のインフルエンザと違い、春に暖かくなったと安心し薄着などをして、身体を冷やして風邪をひくことがあります。
    寒い時期の風邪ならば同情もされるでしょうが、春の風邪は何か損をしたような馬鹿らしさがあります。風邪には体を温めるのが一番です。濃い目の温かいミントティーがとても効きそうです。
  • 一切の音消ゆるまで雪見つむ
    (鬼越/桜守) 

    【評】雪が降り始めると周囲の音が消えていくように静かになります。積もれば積もるほど雪が音を吸い取るようです。作者は、周囲が完全に静寂になるまで雪を見続けています。積もっていく雪の深さまで感じられるようです。

佳作

  • 卒業の日に読み終わる「夜明け前」
    (国分/青空)
  • 薄氷や少し気になる生命線
    (松戸/若仙人)
  • 春風とひたすら話すランニング
    (本行徳/閑居)

 

行徳俳壇


 特選

  • 陽炎や分刻みとふ滑走路
    (幸/汐風爽)

    【評】今年は正月早々に、羽田空港の滑走路で痛ましい惨事が起こりましたが、滑走路を監視する職員は一分一秒の状況に気が抜けません。そのような滑走路ですが、春の温かい晴天には表面の温度が上がり、陽炎がしばしば生じます。分刻みの緊張した離着陸機と緩やかな季語「陽炎」の対比が面白く組み合わされています。
  • 春愁や作り笑顔のうらおもて
    (富浜/流子)

    【評】春は、生きるものみな生気にあふれる季節ですが、人間はその反面ふと物思いに沈んだりすることがあります。この様子を表した季語が「春愁」です。周りの人にはいつも元気で振舞っている人が、時には明るく振る舞うのが鬱陶しくなる場合があります。そんな時、仕方なく自分の本心を隠して、笑顔を作るのでしょう。

佳作

  • 鞦韆や胸張る先の青き空
    (行徳駅前/春乃)
  • 犬引いて春寒の町背を丸め
    (福栄/三河次郎)
  • 冬あかね影絵芝居の始まりぬ
    (本行徳/かもめ)

 

選者略歴

峰崎成規。昭和23年生まれ。
俳人協会会員。結社「沖」同人。平成25年第27回千葉県俳句作家協会新人賞受賞。
平成26年「沖」同人、沖新人奨励賞受賞。平成28年第十六回手児奈文学賞受賞。

 

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「いちかわ・行徳俳壇」募集中
【3/22~4/19募集分】

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