「居場所がない」人たち
荒川和久/著(小学館/2023年)
紹介してくれたのは … 浦安市立中央図書館 砂田さん
〈おすすめコメント〉
この本での「居場所」とは、家族・職場・地域などの所属先のことで、居場所には人生における安心を担保するという面があります。居場所が失われていく中で、誰とどこでどうつながっていけば「幸せ」になれるのか。誰も避けては通れない問題に、真正面から向き合った一冊です。著者は、マーケティングの視点から独身生活者を研究する荒川和久氏。前半は、鋭いデータ分析を基に、未婚・離死別を含めたソロ社会(単身社会)の到来について言及し、後半は、個人としてどう生きるかに焦点を当てます。単発でもいいから出かけて行って人と関わりを持つことなど、自身の自発的かつ継続的な行動を促す著者の意見は、怠惰な身としてはぐっと心に刺さります。