『ようこそ!富士山測候所へ 日本のてっぺんで科学の最前線に挑む』
長谷川 敦/著(旬報社)
今回紹介してくれたのは…西葛西・清新町コミュニティ図書館 根津さん
〈おすすめコメント〉
「富士山測候所」。その名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。日本一高い山の頂で2004年まで気象庁職員が気象観測を行っていた施設で、酸素が平地の3分の2しかなく台風並みの風が年中吹きすさぶ、過酷な環境にあるそうです。
驚いたのは、建設のきっかけが120年以上も前に冬の山頂での気象観測に挑んだ、独学で気象について学ぶ青年とその妻、たった2人の行動だったこと。本の中でも特に印象的なエピソードでした。また、現在は無人となった測候所ですが、夏の間だけ「NPO法人富士山測候所を活用する会」が施設を借り、さまざまな研究を行っています。その様子も描かれており、施設の老朽化が進む中「ここでしかできない研究」をしている科学者たちの熱意が伝わってきます。