「食」は健康の源。季節の食べ物をしっかりとって元気でいたいもの。薬膳のプロフェッショナルが「旬の食物」を紹介します。
今月の食物 あさつき
まもなく3月。旧暦ではすでに春は始まっています。今の季節は、成長が始まる大切な時期です。冬に蓄えたものを解き放ちましょう。デトックスとリラックスに意識を持ち、温性で辛味の性質のものを多く摂ると良いでしょう。
あさつきは、ヒガンバナ科でネギ属。細いことから「糸ネギ」とも呼ばれ、よく薬味に使用されています。体を温め、体内の毒素排出効果があることから、冬から春の時期との相性が良い、今にぴったりの野菜です。
東北では、春になると酢味噌和えにしていただく習慣もあるようで、今回はそこに黒キクラゲを加えた一品をご紹介します。
あさつきの酢味噌和え
■材料
あさつき300g
黒キクラゲ(生)50g
※乾燥の場合は10g
味噌大さじ3、砂糖大さじ3、酢大さじ2、みりん大さじ1
■作り方
①あさつきは、熱湯でさっと硬めに茹でる。素早く冷まし、約4㎝に切り揃えて水気を切る。
②黒キクラゲは、石づきのかたい部分を取り、さっと茹でて千切りに(乾燥の場合は水で戻してから千切り)。
③すり鉢等に調味料類を入れ、よく混ぜる。①②を加え和える。
※あさつきは、茹でたら水にさらさず、まな板に広げて冷ますと甘味が出る。
黒キクラゲのシャキシャキ感をお楽しみください。黒キクラゲには貧血予防効果があり、血を補います。肝臓の働きが活発になる春におすすめです。
桑原祐美
(くわばらひろみ)
国際中医薬膳管理師。中国黒龍江中医薬大学日本校で漢方・薬膳を学ぶ。薬膳料理教室「花凜」主宰。大手介護グループの薬膳監修。