「ねんきん定期便」で自身の加入履歴を確認しよう
現在、年金支給開始は原則65歳から。まだ先のことだし難しそうだからと、放置している人もいるのでは。
今回は「前チェックの大切さ」について、前回に引き続き、東京ベイ信用金庫 営業推進部 営業推進課の年金担当者に話を聞いた。
年金制度のおさらい
年金には、国が運用する公的年金の国民年金・厚生年金と、企業年金やiDecoなどの私的年金がある。
日本に在住する20~60歳までが原則加入する「国民年金」をベースに、会社員や公務員が加入している「厚生年金」、さらに「私的年金」まで加えると、3階建ての構造になっている。
ねんきん定期便をチェックしよう
自分の年金の状況は、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」に記されている。
特に35・45・59歳で届く封書には、年金加入履歴が細かく記載されているので、間違いがないか必ず確認しよう。
支払ったのに記録がない。そんなときは…
もし支払っているのに定期便に記載がなかった場合、どうしたらよいのだろう。
「結婚して苗字が変わったり、転職した人などに多いのですが、過去の年金番号が統合されておらず、番号が複数存在している可能性があります。専業主婦で扶養の範囲内で働いていると思っている人もご注意を。
職種によっては、意図せず社会保険に加入していた…なんてことも。とにかく、あれ?と思ったら、近くの年金事務所に相談しましょう」
年金事務所では、名前や住所、職歴などから、迷子になっている年金番号を探し出すことが可能だ。
本人確認ができる書類、代理人が行く場合は委任状も必要なので忘れず用意しよう。
「55歳」までには自分の年金のことを気にかけて
国民年金は、20歳から60歳まで保険料を納付すれば、年額79万5000円(2023年現在)が生涯支給される。
しかし、最低でも10年の資格期間がないと、1円も支給されない。
だからこそ年金支給開始まであと10年の55歳までに確認しておくことが、非常に重要なのだ。
「55歳までには、自分の年金について興味を持ち、状況を調べてみてください。何か年金事務所で手続きしなくてはいけないことがあっても、55歳までなら間に合うケースが多々あります。支給開始年齢直前になって慌てることなく、スムーズに受け取ることができるのでお勧めします」
年金の受け取りは近所の金融機関で
今はネットバンクなども普及し便利になったが、80代・90代になったとき、同じようにネットで手続きをしたり、また自分で遠くの銀行まで行くことができるだろうか?
「先の先まで考えて、ご自宅に近い金融機関の利用をお勧めします。年金を狙った犯罪も多発していますし、困ったときに相談できる窓口があると安心ですよね」
東京ベイ信用金庫では、事前に年金受け取り口座を指定すると、お得になるサービスを行っている。
「無料の年金相談も行っているので、詳しくはHPをご覧いただくか、気軽にお近くの店舗に問い合わせください」