市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
第25話
『ラーメン屋さんでの話』
この前、パパとおっかと、ラーメン屋さんに行きました。私は、そのラーメン屋さんに、おっかと2人で、前にも行きました。おっかも私も、そのときに注文したものと、同じラーメンを注文しました。おっかは、私と行くより、さらに前にも、パパと、お姉ちゃん家族と、そのラーメン屋さんに行っています。そのときに、おっかが注文した坦々麺が、おっかの口に合わなくて、おっかが、パパにあげたら、パパは、おいしいと思ったそうです。だからこの日、パパは、そのときの坦々麺を注文しました。それと、みんなで食べる、油淋鶏を一皿、注文しました。元々は、餃子を注文しようかと、おっかと話していました。だけどなんだか、お店に着いたら、おっかが、油淋鶏を食べたそうだったので、油淋鶏を注文しました。
私は、おっかと、このラーメン屋さんに来たときに、ラーメンのどんぶりの底に、なにか、言葉が書かれていたような気がしました。だから、おっかに、「どんぶりの底に、なんか書かれてなかったっけ?」と聞きました。おっかも、そんな気がする、みたいなことを言ったと思います。だけど、どんぶりの底の言葉を読むには、ラーメンのスープを、全部飲まないとなりません。私は、作ってくれた方や、命を捧げてくれた存在には申し訳ないなと思いながら、体への、塩分のこととかを考えて、ラーメンのスープを、全部は飲みません。だから私は、私が、ラーメンのスープを全部飲んだのかなあ、と疑問に思いました。そのことを、おっかに話したら、おっかは、私がラーメンを食べきれなくて、おっかが私の、残りのラーメンを食べたときに、スープを全部飲んだんじゃないかな、と言いました。だけど私は、おっかも、ラーメンのスープを全部飲むかなあ、と疑問に思いました。
そんなふうに考えているうちに、おっかが、どんぶりの底の言葉を見たくて、一所懸命、スープを全部飲もうとしていました。たしか、その前だったと思うのですが、私は、お腹いっぱいになってきたから、おっかに、私の残りのラーメンを、食べてくれないかなと言ったら、おっかは、おっかもお腹いっぱい、みたいなことを言っていました。それに、油淋鶏もあったので、おっかは、本当に、けっこう一所懸命に飲んでいたなと思います。そして、おっかは、スープを全部飲みました。だけど、どんぶりの底には、何も書かれていませんでした。
れんげを置く器には、言葉が書かれていました。だから、たぶん、おっかも私も、どんぶりの底にも、なにか書かれていたと、勘違いしていたんだなと思います。
おっかと私は、パパが、坦々麺のスープを、全部飲んでいたことに、おっかがスープを全部飲み終わってから、気がつきました。「最初から、パパのどんぶりの底を見ればよかったね」と、笑いました。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。