公開日: 2025年3月14日

防災について考える

いちかわ新聞
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自分の命は自分で守る ~各自・各家庭で地震に備えよう

甚大な被害をもたらした東日本大震災から今年で14年。この間も日本各地で比較的大きな地震が起きていることもあり、備蓄品の用意や避難経路の確認など、地震への備えは常に必要だと感じている人も多いだろう。
もしもの時に市川市で想定される被害や、私たちが準備すべきことなどについて、改めて、市川市危機管理室危機管理課の土屋さんに話を聞いた。

大規模地震で避難者10万人の想定も

市川市は平成25年に地震被害想定調査を行い、防災対策に取り組んできた。それから10年が経過し、人口や道路、建物など街の様相が変化したことから、最新の科学的知見なども踏まえて新たに調査を実施し、昨年、その結果をまとめた。
想定する地震は千葉県北西部直下地震(30年以内発生確率70%)、東京湾直下地震(同70%)、大正型関東地震(同0~2%)で、いずれの場合も前回調査より、市南部から北部にかけて最大震度6強のエリアが広がるという結果になった。
「大きな揺れのエリアが広がるということは、避難者の数も増えるということです。避難所には最大5万人、ほかにも在宅避難や車中避難、親戚・知人宅への避難者などが合計5万人にのぼると想定されます。いずれのケースも支援は必要ですから、市は備蓄品の数なども見直していく考えです」

地震による火災を防ぐために

建物倒壊やガケ崩れ、津波、液状化など、地震による被害はさまざま考えられるが、今回の調査では火災による被害が前回の想定よりも増えているという。
「揺れの大きさや想定される建物被害から詳細に見直したところ、特に冬の夕方に地震が発生した場合、火災による被害の多発が非常に懸念されます。住宅が密集しているJR総武線沿線や行徳北部は震度7に近い大きな揺れも想定されており、注意が必要です。これまでの地震では電気による火災が多かったこともあり、市では、地震を感知したときに自動的に電気を止める『感震ブレーカー』の設置を呼び掛けています。大切な命と家を守るために、ぜひ、ご検討ください」

備蓄すべきモノ

各家庭でできる備えといえば、備蓄品。食料や水、携帯トイレなど、それぞれの家族構成や状況に合わせて用意しておこう(2面表参照)。
「自宅に被害がなければ、ライフラインが止まったとしても在宅避難が可能です。プライバシーが限られる避難所ではストレスを感じてしまうこともありますので、自宅で避難することを想定して準備をしておきましょう」
災害時は常に最新の情報を得ることも大切だ。スマートフォンをこまめに充電し、モバイルバッテリーやラジオも用意しよう。

やっておくべきコト

市川市では1月に小学校38校と塩浜学園で、小学校区防災拠点協議会と市職員を中心に「避難所開設・運営訓練」を実施。6校では地域住民も参加し、防災倉庫から物資を運んでブースを設置したり、避難者の受け入れ訓練などを行った。
「災害時は自分で自分を守る行動が不可欠です。高齢者や障がいを持っている方など一人で避難が難しい場合は、日ごろからご近所とコミュニケーションをとって地域のつながりを作っておくことが、災害時の大きな力になると思います」
もう1つ、各自や各家庭でできる備えとして土屋さんが提案するのが、在宅避難の予行演習を行う「ホームサバイバルトライアル」だ。ライフラインが断たれたことを想定し、ランタンやろうそくで明かりを確保したり、ストックしてある非常食を食べたり、携帯トイレを使って過ごしてみるというものだ。
「特に携帯トイレは初めて使うときは戸惑うと思いますので、事前に体験しておくことをおすすめします。また、備蓄品を実際に使ったり試すことで、足りないものや、逆に使わないものなども分かると思いますので、この機会に見直してみてはいかがでしょうか」
また、地震はいつ起こるか分からないので、夜間の場合や家族それぞれが外出しているケースなど、さまざまな時間帯や場所をシミュレーションして考えておくことも大切だという。
この春休み、家族で防災について考えてみよう。

【備蓄品チェックリスト】

●食料
□水
□レトルト食品など
●感染予防対策
□消毒液
□体温計
●日用品
□トイレットペーパー
□眼鏡・コンタクトレンズの予備
□水のいらない石鹸・シャンプー
□ウェットティッシュ
□デオドラントボディシート
□カセットコンロ
□給水袋
□携帯トイレセット(凝固剤)
□使い捨てカイロ
□携帯電話の充電器
□モバイルバッテリー(ソーラー式のものが便利)
□工具
□口腔ケア用品
□食品用ラップ

<家族構成によって追加>

●高齢者
□入れ歯洗浄剤
□オムツ
□尿漏れパッド
□おしりふき
□介護食
●女性
□生理用品
□おりものシート
□痛み止め
●乳幼児
□粉ミルク
□離乳食
□オムツ
□おしりふき
□哺乳瓶
□哺乳瓶用消毒液
□お菓子(食べなれているもの、好きなもの)
●ペット
□ペットフード
□トイレ用品
□ケージ
□リード
□移動用リュック

※その他、必要なものを普段からリストアップしておくとよい

【非常用持ち出し品】

□懐中電灯・予備電池
□携帯ラジオ
□救急箱・常備薬
□マスク
□通帳・印鑑
□ライターやマッチ
□ろうそく
□ナイフ
□タオル・毛布
□ティッシュ・ビニール袋
□現金・保険証
□手袋
□衣類・スニーカー
(スニーカーはベッドの横などに置いておくといい)

 

 

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