公開日: 2025年3月7日

正福寺 大荒行成満帰山式

浦安新聞
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2回目となる「百日間の荒行」を見事成し遂げ帰山

2月10日(月)、堀江のフラワー通りにある日蓮宗 説江山 正福寺で、大荒行成満帰山奉告式が執り行われた。これは、「日蓮宗大荒行」に挑んだ僧侶が、100日間の修行を無事終え、帰山したことを奉告する儀式だ。

大荒行とは

大荒行は毎年11月1日~2月10日の100日間、中山法華経寺(市川市中山)で行われる修行で、全国各地から100人ほどの僧侶が集まる。
修行中は、毎朝2時に起床。寒水で身を清める水行を午前3時から午後11時まで1日7回行い、お堂の中でひたすら経典の読誦と写経に明け暮れる。朝夕2度の食事は、白がゆのみで、睡眠時間は2時間ほど。飢えと寒さ、睡魔に耐え、下界から完全に遮断された環境で一心に修行することで、特別な力が得られるというのだが、あまりの苛烈さに「世界三大荒行」の1つに数えられている。

◆帰山奉告

今回この大荒行に挑んだのは、正福寺副住職の田中貞龍さん。6年前の成満(じょうまん=成就すること)に続き2度目の成満を見事成し遂げた。
奉告式当日の早朝、中山法華経寺での最後の儀式「大荒行成満会」を終えると、貞龍さんは一緒に荒行に臨んだ6人の僧とともに一路正福寺へ。まといが先陣を切り、支援者や檀家の人々が団扇太鼓を打ち鳴らす中、僧たちは「南無妙法蓮華経」と題目を唱えながら猫実の庚申塔辺りから寺までの道を練り歩いた。途中、僧たちに手を合わせる街の人たちの姿も。
寺に到着後、まず行われたのは水行式。2月の冷え冷えとした空気の中、一心不乱に経を唱えつつ、手桶でくんだ水を頭上から何度も勢いよく浴びた。その姿を、周りの人々は合掌しつつ見守っていた。
その後、本堂へ。身を整えた7人が入堂すると、1人1人が紹介され、貞龍さんには許証が手渡された。奉告文が読み上げられた後、力強い読経に続き、木剣(ぼっけん)が打ち鳴らされ、加持祈祷が行われた。
貞龍さんは「このように2回も荒行を成し遂げられたのは、檀信徒の皆さんの理解があったからこそ。家族にも本当に励まされた。これから皆さんにどのような恩返しができるのか、考えていきたい」とあいさつ。途中声を詰まらせる場面もあり、周りから温かい拍手が起きていた。
「6年前もお迎えしたが、あの大変な荒行を2回もやり遂げるなんて、本当にすごい」「お経を唱える声がますます良くなった。厳しい修行の賜物だろう」。立ち会った支援者たちは感動した様子で話した。

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