公開日: 2025年2月28日

【住まいとくらし】住まいの講習会 親子で考える“高齢期の住まいと暮らし”

浦安新聞
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「高齢期の住まい」について多彩なノウハウを伝授

浦安市の人口予測では、2050年には高齢者が1.7倍、その中の要介護者、認知症高齢者はともに2倍以上に増加するという。しかし介護施設の数が同様に現在の2倍になっているとは限らず、むしろ狭き門になっている可能性も高い。そんな「高齢期の住まい」について考える講習会が1月18日(土)、浦安市文化会館で開催された。

一般社団法人「高齢者住宅協会」理事で株式会社マザアス特別顧問の吉田肇氏を講師に迎えて行われた浦安市主催「住まいの講習会」。
介護が必要になっても現在の住居に住み続けるためのポイントや、「住み替え」という選択肢など、「これからの住まい」について漠然と不安を感じている人たちの指標となるさまざまな情報が、スライドとともに紹介された。

自宅に住み続ける場合

指摘されたのは高齢者にとっての「自宅の危険性」だ。住み慣れた場所で安心と思いがちだが、実際には高齢者の事故の7割が自宅で発生している。また、それが原因で、病院や施設で最期を迎えるというケースも多いそうだ。
万が一の救急搬送に備えて、健康保険証やお薬手帳など、病院関係の資料をビニールポーチにまとめ、玄関に吊るしておくといった、今すぐできるアイデアや、高齢の親と離れて暮らす子に向けて、親のかかりつけ医や近所付き合いについて知っておくことの重要性が語られた。
「在宅医療サービス」の紹介では、浦安市における在宅療養支援診療所や訪問介護・訪問リハビリ、在宅対応薬局の所在を地図上に明示。
自宅を安全にするためのリフォームについては、どこで高齢者の事故が起こりやすいのかを示しつつ、施工のコツが紹介された。
【例えば…】
・トイレ ドアは開き戸より引き戸に。便器の配置をドアと90度の角度にすると、入って振り返ることなく腰かけられるので、ふらつきによる転倒が抑えられる
・お風呂 浅くて足が伸ばせるものより、昔ながらの深くて足を曲げて入るタイプの方が高齢者にとっては立ちやすい

住みかえる場合

一方、住み替えると決めたら、「買うのか借りるのか、それとも利用するのか」「今の自宅がいくらになるのか」「自宅の荷物はどうするのか」「相続や税金はどうなるのか」という4点の確認が最重要であること、住み替えの具体的な選択肢について「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「シニア分譲」といった高齢者住宅の3つの形態とその違い、公的施設と民間施設の種類など「住み替え」を考えるにあたって知っておきたい内容が分かりやすく紹介された。
参加者からは「これからの住まいについてまだまだ迷いは大きいが、有益な時間だった」「将来への備えのための知識が得られてよかった」「実際に施設を見学してみようと思う」といった声が聞かれた。

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