市川情報セキュリティみんなの会
代表 小谷野 正博さん
個人ではハードルが高い情報セキュリティ
安全かつ快適にインターネットを利用するためには、情報セキュリティの実践が不可欠。しかし専門職がいる企業や団体と違って、個人や小規模企業で取り組むのは少しハードルが高く、そもそもそこまで必要なのかと思ってしまう。
そんな市民や小規模企業に向けて情報セキュリティの必要性を周知し、自ら実践するよう支援するのが、情報処理安全確保支援士の小谷野さんの活動だ。
「この分野は変化が早く、専門家はまだしも一般の人はついていくのが大変。しかし、セキュリティが大切なことは間違いない。なんとかできないか、というのが活動の始まりです」
ポジティブから始まるセキュリティ対策
セキュリティの被害で金銭的・社会的ダメージを受けたくないための対策は、ネガティブな発想から出ている。これを、ポジティブな発想をメインにできないか。
「セキュリティ対策をすれば感謝・尊敬され、利得があるし、ワクワク感もある。そんなプラスαがあれば、取り組みやすくなると思うんです」
たとえば、セキュリティを実践して成果を発表すれば学習が実ったという喜びを得られる。インターネットを安全に利用する習慣を、ゲームを通して学ぶワクワク感。情報セキュリティ対策を実施しているという「セキュリティアクションマーク」を取得してホームページに掲載することで得られる、客からの信頼。
「参加者の活動成果を評価して、たとえば市川市の地域通貨ICHICOのポイントがもらえるというお得感も考えられるのでは」と、さまざまアイデアがわいている。
TMO受講が今の活動に
IT企業を定年退職し、プロジェクト成功のために計画・管理をするプロジェクトマネジメント(PM)関連の個人事業を始めたころ、広報でTMOを知った。
「私のやっているPMが地域活性化の活動にどう役立つのかを知りたくて受講しました。仲間からいいアイデアをもらったり、議論を重ねて具体化していくのはとてもためになりました。私のようにシニア世代になるとこんな経験はなかなかできませんから」
さらに数年後のアドバンス講座受講が、今の活動につながった。変化が激しい情報セキュリティは「PMより面白いテーマ」と感じたためだ。
「市川情報セキュリティみんなの会」は現在、仲間とともに活動中。これまでTMO関係者を対象に講座を行っており、今後は市民向けにも開催する予定だ。
「パソコンやスマートフォンなど自分の機器を自分で操作して情報セキュリティを実践し、まずは達成感やワクワク感を味わっていただきたいですね」