「魔女の宅急便」や「おばけのアッチ」など、多数の人気シリーズを生み出し、2018年には国際アンデルセン賞作家賞を受賞した児童文学作家の角野栄子氏。幼少期から20代前半までを江戸川区で過ごした縁により、2023年11月、氏が館長を務める施設「魔法の文学館」が、なぎさ公園・展望の丘(南葛西)に誕生した。
いちご色に彩られた館内にはあちらこちらにわくわくする仕掛けが散りばめられ、子どもはもとより大人も夢中になってしまう空間が広がっているが、2024年12月12日、ついに来館者が延べ10万人を突破、その記念式典が行われた。
10万人目の入場者は江戸川区に住む永田綾さん親子。記念品として角野栄子館長本人から、サイン入り最新刊「おばけのアッチ くるくるピザコンクール」と図録が贈呈された。
永田さんは「オープンしたときから気になっていました。まさか自分が10万人目になるなんて、本当に驚きました。角野さんの『魔女の宅急便』が大好きで、その作者ご本人に会えてプレゼントもいただいて、感激しています。娘は本が好きなので、記念品の本も娘と一緒に楽しみたいです」と語った。
角野館長は「開館1年で10万もの人が訪れてくれたことは、この規模の館ではなかなかないこと」と喜び、「この文学館は設計段階からたくさんの人が、楽しみながら参加してくれた。みんなの『楽しい』という気持ちでできあがった館なので、これからもそんな『気持ちのこもった場所』であってほしい」と語った。そして「これから来館する方にも、本ってこんなに楽しいものなのだということを、ここで体験してほしいです。ページとページの間には魔力があって、そこから想像力がわき上がってくるのだと思います。ぜひページをめくって、じっくり本を読むことを、子どもはもちろん大人にも楽しんでもらいたい」と結んだ。
いちご色の館内