市民活動に情報技術を上手に活用
NPO法人いちかわライフネットワーククラブ(青山真士理事長)主催、市川市共催のTMOシンポジウムが11月16日(土)、全日警ホールで開催され、「市民活動における情報活用の可能性」をテーマに、市民ら約30人が参加し意見交換を行った。
同法人はまちづくりのリーダーを養成する「いちかわTMO講座」をはじめ、まちづくりの取り組みを支援する活動を行っている。シンポジウムは公開で、外部講師による講義とディスカッションが行われた。
講義では、技術士の木村則彦氏が「都市と情報」と題し、情報技術と今日の課題を取り上げた。ITの普及が都市機能やビジネスに利便をもたらした半面、SNSなどを通じたトラブルや犯罪の多発や、生成AIによる虚偽情報による混乱の懸念が拭えない。「あふれかえる情報をどう都市と暮らしに生かすかは、まさに人の仕事」と説いた。
木村さん
千葉工業大学の鎌倉浩嗣情報変革科学部長・教授は「可視光(ひかり)のちから」と題し、自身が研究している可視光通信の技術を解説。LED光で音楽データを送信しスピーカーで鳴らす実演をし、「電波と違い直進性があり、赤外線と違い人に見えるなど、従来に無い次世代の通信手段になる」と紹介した。
鎌倉さん
情報処理安全確保支援士で「市川情報セキュリティみんなの会」の小谷野正博代表は、「家庭内情報セキュリティの知識とチェック」と題し、通信を介したコンピューターウイルス感染や乗っ取りに遭わないための注意点を示した。通信機器のサポート期間が終わっていないか、覚えのない設定変更がされていないかなど、「どこにどんな危険があるか、知って備える」ことを呼びかけた。
小谷野さん
ディスカッションでは、これまでの講座の修了生らが自らの実践例やプランを述べ、意見交換。高宮務さんは、まちづくり活動の人材探しや作業依頼でネット活用のしかたを学ぶ講座を提案。三浦康彰さんは、子どもたちがコンピューター制御でドローンを飛ばす経験を通し、プログラミング教育につなげる取り組みを話した。
情報技術と情報の活用策について、参加者らは熱心に意見を出し合っていた。