唯一無二の「7年間高等教育」を目指す
2028年に創立100周年を迎える千葉商科大学。2025年度に新しい学びの体制へ移行することを発表しているが、それに先立ち10月21日(月)、第9代学長に選出された宮崎緑国際教養学部教授と、付属高校第6代校長に選出された高井宏章氏の、新学長・新校長決定記者会見が行われた。
宮崎氏は神奈川県出身。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程を修了。1982年より6年間、NHK報道局「ニュースセンター9時」のニュースキャスターを務めた。千葉商科大学では2000年より教鞭を執っている。
一方、高井氏は元日本経済新聞社の記者。マーケットや資産運用などの「金融リテラシー」が専門分野で、2018年に出版した経済青春小説『おカネの教室』は10万部超のロングセラーを記録した。付属高校初の民間出身校長となる。
記者会見ではまず、両校を経営する学校法人千葉学園の内田茂男理事長があいさつ。大学を取り巻く現状を説明し、2014年に開始されたさまざまな改革の成果が確実に実を結んでいること、2025年度より始まる大学改革では、教職員と経営陣が一体となり、高大一体化を進め、「唯一無二の学園」となることを追求すると語った。
次に宮崎次期学長が登壇し、社会が大きく変容し、大学の存在意義も新たに問われている今こそ、原点回帰が重要だと指摘。「建学の精神に基づく『治道家』、つまり『大局的な観点に立ち、世の中の動きを鋭敏に捉え、社会の諸課題に対して高い倫理観を持って解決していく指導者』となる学生を育てていきたい」と話した。また来春より始まる大学改革において、付属高校との緊密な連携による7年間高等教育の実現を掲げ、「これまでにない異次元の高等教育改革を進め、社会から必要とされる大学であり続ける、その礎を作っていきたい」と抱負を語った。
続いて高井次期校長が壇上に。「大学と連携しながら金融リテラシー教育を授業のカリキュラムに積極的に取り入れて、高校3年間で社会人に十分なレベルの知識を修得、大学ではリテラシーを伝えられるレベルにまで専門性を高められる、そんなユニークな7年間の高等教育を実現していきたい」と語った。
最後に2025年度の大学改革について、大学本部長兼入学センター長の出水淳氏が概要を説明。現行の5学部7学科から4学部6学科に再構築。共通化できる部分は全学カリキュラムへ移行すると同時に他学部のことが学べる仕組みも整備。幅広い学びの中からやりたいことを、学生自身が主体的に選べる学問体系となる。
「新学長と共に全教職員で、全く新しい千葉商科大学を目指す」と話を結んだ。
左から内田理事長、宮崎次期学長、高井次期校長、出水大学本部長兼入学センター長