公開日: 2024年11月8日

虫歯・歯周病の予防 ~年齢による傾向とその対応~

いちかわ新聞
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歯と健康
11月8日は「いい歯の日」

虫歯や歯周病の予防方法は一つだけでなく、さまざまな要素から考えられるリスクに合わせて構築するべきとされている。それぞれのケースの注意点や適切な予防方法について、市川市歯科医師会の広報委員、藤田裕歯科医師にくわしく聞いた。

虫歯や歯周病の予防は、個人の年齢や食事の嗜好、治療済みの歯の総数や生えている途中の歯の状態、全身状態を考えてそれぞれに適切な方法で行うべきです。また母子感染(父子感染)など、幼児期特有の親からの虫歯の原因菌の伝ぱも、個人の虫歯のリスクの指標になります。今回は年齢的な特徴ごとに、注意したい点を紹介します。

●幼児期

主に食事の世話をする人(母親、父親)の口の菌が伝わりやすい時期。取り箸などを活用して、親から子への虫歯菌の「リレー」を避けたいものです。スプーンが別でも同じ食品を分け合って食べたり(アイスクリームなど)、素手で食べるスナック類などを分けてあげるのも唾液の汚染が生じやすいので、留意が必要です。

●小学生

小学生になると乳歯から永久歯の生え替わりの大事な時期を迎えます。生える途中の歯や抜けそうな乳歯は、比較的虫歯菌が溜まりやすい場所です。
若い永久歯は虫歯菌への抵抗性も脆弱で虫歯になりやすいので、歯科医院で歯の健診や歯ブラシ指導、予防処置を行うようにしましょう。

●中・高校生

学校や部活で忙しくなり、歯の健診や歯磨きもおろそかになりやすい時期。その一方で、食事の回数や量が増えてくるため歯が不潔になりがち。注意が必要です。

●若年期青年期

社会的責任が高まる時期で、比較的ストレスにもさらされます。自律神経支配の唾液腺が作る唾液は、ストレスに多く影響を受け分泌が抑制されます。唾液が少なくなると歯周病や虫歯のリスクが比較的増大します。歯周病の発生頻度も年齢ごとに上がります。

●壮年期、老年期

処方薬の多剤化などで唾液の分泌に抑制がかかったり、長年使用した永久歯に細かなヒビ(クラック)や歯の欠け、破折などが起こりやすくなります。
またこの時期の虫歯の特徴として、ヒビから侵入した虫歯菌が内から引き起こす虫歯が見られるようになります。歯茎の加齢や歯周病による歯の根の面の虫歯が多くなるのもこの時期の特徴です。
義歯やブリッジを使用している人は、そのバネがかかる歯や、入れ歯の近くの歯に汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすいため注意が必要です。またインプラントを入れている人の場合、インプラントに隣接している歯の歯周病である「インプラント周囲炎」を罹患しやすくなります。

個人の年齢的な特徴に合わせ、歯科医院で適切な予防処置を受けてみてはいかがでしょうか?

 

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