『東京バンドワゴン』
小路幸也/著(集英社)
紹介してくれたのは … 市川市中央図書館 比田井さん
〈おすすめコメント〉
東京、下町にある老舗の古本屋「東京バンドワゴン」。店を営む堀田家は、4世代8人がひとつ屋根の下に暮らす今は珍しい大家族です。先代店主が遺した家訓〈文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決〉に導かれてか、堀田家にはいつもさまざまな謎や事件が舞い込みます。その度に老若男女、個性的な家族と周囲の人々が力を合わせて解決に向け奔走します。
『東京バンドワゴン』はシリーズの1作目で、今春刊行された『キャント・バイ・ミー・ラブ』が19作目となり、まだ物語は続いています。愛すべき登場人物たちや笑いあり涙ありミステリーありの多彩なストーリーなど、魅力溢れる作品ですが、まず物語に引き込まれるきっかけとなるのは、一風変わった語り手の存在です。堀田家を中心に起きる出来事を、温かく見守りながら私たちに伝えてくれたのは…。語り手の正体は冒頭で明かされますので、気になった方はぜひお手にとってみてください